見知らぬ親子がくれた小さな奇跡

先週の土曜日は、陽射しはやわらかくて気持ちのいい日だった。

「今日はこいつをピカピカにしてやるか」と、いつものように家の前で、ミニを洗車していた。

本当は、来月の車検の後でもよかったんだけど、ふとボディのくすみが気になってしまって。WAXをかけるたびに、どんどんツヤを取り戻していくその姿に、ついつい夢中になる。

仕上げにボンネットを磨き終え、少し離れて眺める。


「やっぱり、ミニは最高に可愛いなぁ…」


コンパクトで丸みを帯びたボディ、ちょっと不機嫌そうな顔に見えるクラシックなグリル。まるで、生きてるみたいに感じる瞬間がある。

そんなふうに一人でニヤけていたとき、ふと視線を感じて顔を上げると、目の前の歩道に親子の姿が。


お母さんと、まだ幼い女の子。手を繋いで楽しそうに歩いていたその子が、突然ピタッと立ち止まった。


「ママぁ!このくるま…すっごく可愛い~っ!!」


キラキラした声が、まるで鈴の音みたいに響いた。

思わず私も顔がゆるんで「ありがとう」と笑って声をかけた。するとお母さんが、ちょっと照れながら「スミマセン、可愛いって言っちゃって…」とぺこり。


「もしよかったら、近くで見てみる?」と女の子に声をかけると、お母さんは少し驚いたように目を丸くして、「えっ、いいんですか? 実は私、この車…昔から憧れだったんです」と、ポツリ。

女の子は最初、恥ずかしそうにお母さんの後ろに隠れていたけど、勇気を出して前に出てきた。そして、ミニの前に立って、パアっと目を輝かせた。


「オモチャのくるまみたい!」


無邪気な言葉に思わず笑ってしまった。

そんなふうに見てくれる人がいるなんて、オーナー冥利に尽きるってもんだ。

お母さんも「この車、前から気になっていて...、細部まで本当にかわいくて…バッジまで凝ってるんですね」と、細かいところまでじっくり眺めていた。


どうやら、心からこのミニに惚れ込んでくれたみたいだった。


しばらくして、「本当にありがとうございました」と丁寧に頭を下げながら二人が帰っていくとき、女の子がくるっと振り返って、大きく手を振ってくれた。


「またこのくるま、見にきてもいい?」


その一言に、なんだか胸がキュっとなった。

「いいよ!いつでも見においで」と手を振り返したけれど、心の中ではずっと、あの子の笑顔がリフレインしていた。

それからというもの、思い出すたびにニヤニヤが止まらず。

…我ながら、ちょっと怪しいおじさんだったかもしれない(笑)

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