あまり効かないヒーターと付き合う覚悟がちょうどよくなる年齢

若い頃は、効かないヒーターなんて許せなかった。

冬なのに足元は冷え切り、フロントガラスはすぐ曇る。


「こんなもん、欠陥やろ!」

と本気で思うようなことも旧車では当たり前に起こる。


でも、歳を重ねると不思議なもので、その"あまり効かないヒーター"とも、ちゃんと付き合えるようになる。


ミニに乗っていると、すべてが思い通りにはいかない。

エンジンは気分屋だし、インジェクション車でも冬のアイドリングは安定しない。さらに苦ウォーターガラスのラバーは収縮して雨漏りがする。あげくにリアガラスの熱線は配線が切れてもう使えない。


そして冬になると、

ヒーター全開にしても音だけで「あるにはある」程度にしか効かない。


こんなギャグみたいなことが受け入れられるようになるのが、

ちょうど、今の年齢なのかもしれない。


車に乗るのに寒ければ、少し厚着をする。

出発前は、エンジンが温まるまで5分以上待つ。

曇ったら、寒いのを我慢して窓を少し開ける。


不便さを排除するのではなく、努力と我慢で付き合うのだ。


でもそれはミニだけの話じゃない。

身体も同じだ。

昔のように無理はきかないし、回復も遅い。


夜に何度もトイレに行くし、ちょっとお漏らしすることもある。

それでも「この歳だから、こんなもんか」と思える余裕が、徐々に身についてきた。


あんまり効かないヒーターは、

「完璧じゃなくても、ちゃんと前に進める」ということを教えてくれる。


暖かさを望むなら今の国産車に乗ればよい。


でもミニは、あのじんわりとした温もりが、妙にありがたく感じるのだ。

この車に乗る理由は、速さでも快適さでもない。

不完全なものと、ちゃんと向き合える自分でいられるか。

その答え合わせを、今日も車の中でしている気がする。

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