洗車のあとに現れるもう一台の愛車
週に一度…とまではいかないけれど、ふと時間ができた日にミニを洗う。これがまた、ただの洗車ではなく、どちらかというと「対話」に近い時間である。
ボディに付いた埃や花粉、うっすらと積もった汚れを、水をかけながらゆっくり落としていく。ウチは線路沿いなので鉄粉も粘度でしっかり洗い流す。
ケルヒャーの高圧洗浄機で洗い、Waxをかけると、くすんでいた色が少しずつ本来の輝きを取り戻していくのがわかる。ああ、やっぱりこのクルマ、いいな…と、毎回同じことを思う。
ミニって、不思議なもので「汚れていても絵になる」のに、「綺麗にするとさらに愛おしくなる」。だから洗車は義務じゃなくて、むしろご褒美みたいなものだ。
ひと通り洗い終わって、水を流し終えたあと。ふと足元を見ると、車の横に水たまりができていることがある。何気なくその水面をのぞくと、そこにはもう一台の愛車がいる。
逆さに映るその姿は、少し揺らいでいて、現実の車よりもどこかやわらかい表情をしている。太陽の光が反射して、キラキラと揺れる中に浮かぶシルエット。それをぼーっと眺めていると、ついニヤけてしまう。
「こんな角度から見ること、普段ないよな」
そんなことを思いながら、水たまりの中のミニをじっと見つめる。まるで、もう一台自分の車が増えたみたいな、不思議な感覚になる瞬間だ。
走っているときの楽しさとは違う。磨き上げたあとにしか味わえない、静かな満足感。そして、その先にあるちょっとした"ご褒美"。それが、この水たまりに映るもう一台の愛車である。
きっと、こういう時間があるから、古いクルマでも手放せなくなるんだろうと思う。手間はかかるし、最新の車みたいに快適なわけでもない。でも、その分だけ「関わっている実感」がある。
たまにでいい。完璧じゃなくてもいい。こうして少し手をかけてやるだけで、ミニはちゃんと応えてくれる。そして、最後にもう一台の姿を見せてくれる。
洗車って、ただ綺麗にするだけじゃない。自分のクルマと向き合う、ちょっと贅沢な時間なのかもしれない。
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